高血圧は名前のとおり血圧が持続的に高い状態です。実は、高血圧の患者数は国内で4300万人、つまり、日本人の約3人に1人が高血圧と言われています。しかも、これだけ高血圧の患者さんがおられる中でも適切に血圧が管理されている患者数は1200万人と半分もいません。高血圧は放置すると脳卒中や心筋梗塞などの重篤な病気につながります。

自宅での血圧が135/85mmHg以上なら高血圧

血圧は血液が動脈を流れる時に血管にかかる圧力のことです。「収縮期血圧（上の血圧）」と「拡張期血圧（下の血圧）」があり、通常、収縮期血圧/拡張期血圧という形で示されます。単位はmmHgです。高血圧の基準は、自宅での血圧と病院(診療所)での血圧で若干基準が違います。

高血圧の基準

診察室(病院)での血圧：140/90mmH以上

家庭血圧では135/85mmHg以上

収縮期血圧、拡張期血圧のどちらか、もしくは両方が基準を超えていると高血圧です。

高血圧のほとんどは本態性高血圧で塩分摂取過多が主要因

高血圧には、主に「本態性高血圧」と「二次性高血圧」の2つのタイプがあります。

本態性高血圧

日本の高血圧患者約90%がこのタイプです。本態性高血圧は原因が明確に特定できない高血圧のことで遺伝的要因や生活習慣などが複雑に絡み合って起こりますが、塩分摂取量が多いことが主な原因と言われています。

二次性高血圧

何らかの基礎疾患(別の病気)があり、結果として高血圧となっているタイプです。腎臓疾患、副腎皮質ホルモンや甲状腺ホルモンの異常、血管の狭窄などが原因となります。このタイプの高血圧は、基礎疾患の治療を行うことも重要です。

原発性アルドステロン症

腎臓の近くにある副腎からアルドステロンというホルモンが過剰に分泌され高血圧となります。

腎血管性高血圧

腎臓に向かう腎動脈が何らかの原因で細くなり、結果的に高血圧となります。

高血圧の治療は生活習慣の改善から

高血圧の治療は生活習慣の改善と薬物療法です。治療の最終的な目標は血圧を適正な範囲に保ち脳卒中や心筋梗塞などの合併症のリスクを減らすことです。どのくらいまで血圧を下げるかは年齢や併存疾患等で変わりますので一概には言えません。高血圧の治療においては、まずは、薄味、運動、飲酒や喫煙を控えるなどの生活習慣の見直しを行いましょう。血圧を下げるお薬もあります。血圧を下げるお薬はカルシウム拮抗薬など様々な種類があり、患者さんの状況により使い分けます。高血圧は放置せず適切に管理することがとても大切です。

おおば内科クリニック

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