血液内科ってどんなところ?|おおば内科クリニック|京都市下京区の内科・血液内科

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血液内科ってどんなところ?

血液内科ってどんなところ?|おおば内科クリニック|京都市下京区の内科・血液内科

「医師の仕事をしています」というと、だいたい「専門は?」と聞かれます。最近は、「内科です」と答えることも多いのですが、以前は、「血液内科」と答えていました。そうすると、だいたい次は、「血液内科って何ですか」と聞かれます。一般の方には、あまり馴染みのない「血液内科」。本日は、そんな「血液内科」についてのお話です。

血液内科って?

説明の仕方はいろいろあると思いますが、私は「血液の病気を専門に診断・治療する科」と答えています。血液はぱっと見液体ですが、実は、細胞成分と液体成分に分けられます。細胞成分はさらに赤血球、白血球、血小板という細胞に分類されます(もっと細かく分けられますが)。血液の病気の多くは、これら血液細胞の数が増えすぎたり減りすぎたりすることで起こります。大雑把にいうと、白血病は白血球(厳密には白血病細胞)が異常に増えてしまう病気ですし、貧血は赤血球数(厳密には赤血球中のヘモグロビン)が減ってしまう病気です。血液内科はこのように血液の病気を専門的に扱います。白血病や悪性リンパ腫といった悪性腫瘍から貧血や血小板減少症など多岐にわたります。また、血液の液体成分の中には、血液をを固めたり溶かしたりするメカニズムが存在しますが、その異常にも対応しています。

血液内科医は総合内科医

勝手に私が思っているだけです。血液の病気そのものは、もちろん血液が問題なのですが、血液は全身を循環していることからわかるようにその影響は全身諸臓器に及びます。また、血液内科診療の中心は白血病などの血液癌に対する抗がん剤治療です。抗がん剤治療にはいわゆる副作用がつきもので、心臓、肝臓、腎臓などの臓器障害や感染症など多くの合併症と常に隣り合わせです。起こりうる様々な状況に対応するには、病気については当然ですが、全身の臓器や感染症などに関する様々な知識や経験が必要です。血液内科医は血液疾患に関する知識以外にも内科全般の幅広い知識を持ち合わせていることが特徴なんじゃないかと思っています。私は数年前からプライマリケアにフィールドをうつしていますが、プライマリケアにおいても血液内科医としての視点が大いに役に立っているように感じています。とはいえ、医学はつねに進歩していますので、私も、日々、知識のアップデートを心がけております。

全国的に少ない血液専門医

血液を専門とする医師である血液専門医の数は多くありません。調べてみると、平成24年8月時点で血液専門医は全国に約3000人しかいないようです。他の専門医、例えば、胃や大腸などを専門とする消化器病専門医は約18000人、心臓を専門とする循環器専門医は約12000人であり、その差は歴然です。そもそも、貧血を除けば血液疾患自体は比較的珍しい病気です。ですので専門医も少ないよね?という考え方もあるかもしれませんが、都市部の大きな総合病院や大学病院にしか血液専門医がいないという状況は専門医が少ないせいでもあります。当然、当院のような血液内科医が勤務するクリニックは、もっと少ないです。

クリニックで管理できる血液の病気

血液の病気はいわゆる難病も多く大学病院や総合病院でしか診断・治療ができないと思われる方もいらっしゃると思います。確かに他の診療科と比較してそういった面があること自体は否定しません。一方で、中には病状が安定していれば適切な病診連携のもと専門医のいるクリニックで、十分に対応できる病気もあります。貧血はもちろんのこと、抗がん剤治療後の経過観察、安定している慢性白血病や骨髄増殖性腫瘍、MGUSなどはクリニックでも対応可能と考えます。もちろん、現在の主治医の先生と相談し、きとんと許可をいただく必要があります。何かあれば、総合病院に再度、ご紹介することとなりますので、良好な関係が必須です。

地域医療での当院血液内科の役割

血液内科医の多くは専門性の高さや希少性から総合病院で働いています。ただでさえ血液内科医は少ないのに地域医療に従事する血液内科医となると非常に稀です。地域での受け皿が少ないため病診連携が進みにくく、総合病院の血液専門外来は多くの患者さんがおられ、病状が安定しているにも関わらず、採血してもらうまでに1時間、結果が出るまで1時間、診察は数分、お薬をもらうのに1時間というように、帰宅するのに1時間と丸1日つぶれてしまう方も少なくないと聞きます。また、多くの方は血液の病気以外に、糖尿病や高血圧といった生活習慣病や他の疾患もお持ちです。今回、クリニックを開設した理由の1つは、血液内科を標榜するクリニックがあれば、安定した血液の病気の管理とこれら生活習慣病などの管理が1つのクリニックで完結でき、総合病院の負担の軽減や患者さんの利便性の向上につながるのではないかと感じたからです。もちろん、総合内科医として、地域医療への貢献も大切にしています。何かお困りのことがございましたら、お気軽にご相談ください。