隠れ貧血(潜在性鉄欠乏状態)にご注意|おおば内科クリニック|京都市下京区の内科・血液内科

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隠れ貧血(潜在性鉄欠乏状態)にご注意

隠れ貧血(潜在性鉄欠乏状態)にご注意|おおば内科クリニック|京都市下京区の内科・血液内科

今回はいわゆる隠れ貧血についてです。実は隠れ貧血という正式な病名はなく後に述べる潜在性鉄欠乏状態を分かりやすく言いかえたものです。隠れ貧血は様々な症状の原因となります。名前の通り見過ごされやすい状態ですから、しっかりと理解していきましょう。

隠れ貧血は潜在性鉄欠乏状態

以前解説した鉄欠乏性貧血は鉄分不足で起こる貧血でした。一方、隠れ貧血は鉄分不足になっているが貧血にはなっていない状態です。ここからわかるように、そもそも貧血にはなっていないので隠れ貧血という名称は厳密には正しくありません。別名、潜在性鉄欠乏状態や貧血予備軍と言われますが、こちらがより病態を反映した名前をでしょう。話を戻しますが、隠れ貧血はちょうど健康と鉄欠乏性貧血の間グレーゾーンの状態と言えます。貧血はないので自覚症状もないかと思いきや倦怠感など様々な症状があらわれます。

隠れ貧血の症状とは?

鉄分はヘモグロビンの材料以外にも身体の中で様々な役割を持っています。したがって、鉄分が不足すれば何かしらの症状が出ることは想像に難くありません。具体的には、疲労感、だるさ、皮膚や爪の弱さ、食欲不振、イライラ感など様々な症状が出現します。何となく調子が悪いと感じている方は、もしかすると隠れ貧血かもしれません。

隠れ貧血の原因とリスクファクター

隠れ貧血の主な原因は、鉄分不足ですから鉄欠乏性貧血と同様、月経による血液の損失や食事からの不十分な鉄分摂取です。特に経血量が多い女性や、栄養バランスの偏った食事を摂取している人々は隠れ貧血になりやすい傾向があります。また、成長期なとで身体が多くの鉄分を必要とする場合も隠れ貧血になりやすいです。隠れ貧血の状態を放置すると、鉄欠乏性貧血となります。

隠れ貧血の診断方法

隠れ貧血の診断には鉄欠乏性貧血同様血液検査が不可欠です。主に測定されるのは、ヘモグロビン量とフェリチンです。フェリチンは鉄分の貯蔵量を反映します。典型的には隠れ貧血はヘモグロビン濃度が基準値内でフェリチンが低下しています。ヘモグロビン濃度もフェリチンも両方低ければ鉄欠乏性貧血です。

隠れ貧血の治療方法

隠れ貧血の治療には主に鉄分補充です。鉄分を補充することで倦怠感などの症状が改善するか確認します。逆に鉄分を補充しても改善しない場合は、他に症状の原因になるようなものがないか調べる必要があります。

隠れ貧血を予防するために

隠れ貧血を予防するためにはバランスの取れた食事が重要です。鉄分を豊富に含む食品を積極的に摂取することが勧められます。赤身の肉、レバー、ほうれん草などが良いでしょう。また、食事中にビタミンCを多く含む食品と一緒に摂ることで、鉄分の吸収が促進されます。

まとめ

隠れ貧血は鉄分の不足で貧血になる一歩手前の状態です。何となく調子が悪いなど不定愁訴の原因となります。定期的な健康診断やバランスの取れた食事、適切な運動などで、早期発見と予防を心がけましょう。